スタッフブログをご覧の皆さんこんにちは。
先日からの鮭釣りの投稿が続いておりますが、なぜ病院が釣りの話しを取り上げるのかと疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
一言で言ってしまえば『人が集まる趣味だから』という事に尽きるのですが、もう少し詳しくお話しいていきますね。
昨年私たちが『N43° ABASHIRI ここで暮らす?』というドラマを作成した事をご存知でしょうか。
これは、地方都市が抱える大きな問題…年々人口が減っていく状況に網走もなっていて、このままでは衰退していく一方となる問題を少しでも改善できないかとの考えから始めたものです。
一言に改善と言っても日本全体で人口が減っている状況ですので現象を覆すのは難しいですが、この先の減少の度合いを遅らせる事に向けての行動は出来るのではないかと考えておりました。
もう少し紐解いていくと、進学や就職で網走を離れた若者が再度網走に戻って来ない事が多いという現状があります。
他の地域に出て新たな経験を重ねる事は良い事であると思いますが、そのまま地元に戻って来ない人ばかりではこれもまた人口が減っていく一方となります。
そんな状況に対し今年の6月には、市内の中学生にプロミュージシャンとの共演を通じ大人になった時に『網走って良い街だったな』と感じて、また戻って来たくなるような考えに繋がらないかと考えて音楽イベントを開催しました。
そして、この人口減少から今後予想されるのは『利益不足』ではないかと思います。
単純な構図で考えると、人口が減る事でお客さんとなる人が減ってしまいます。買う人がいなければ物が売れませんから売り上げが下がり、利益も下がり、最終的には閉店に…
逆の立場からは買い物がしたくても店がない。店がないから他所で買い物を済ませよう。…網走にお金がどんどん落ちないようになっていてしまいますね。
そのような事から、他所から人に来てもらう事も一つの改善方法ではないかと思い、それにはどんなところに人が集まるのか。という考えから実際に人が多く集まっている場所を見てきたのであります。
実際の釣り場には、釧路、旭川、札幌などの道内各所のナンバー。道外から来ているのが分かるナンバーも見られました。
釣りだけが人の集まる趣味という訳ではありませんが北海道の中心とは言えないこの地に、日本各地からこれだけ同じ目的をもって人が集まる事というのは、他にそうそうないのではないでしょうか?
その視点から考えると、とても強いパワーを持っている物だと思います。
釣り場で横浜から来た方とお話しをする機会がありました。
この時期は1週間近く休暇をとり鮭釣りの為にこちらに訪れているようです。
初日にお会いした日は全く釣れなかったようですが、その日に一番釣果を上げていた方から聞いた秘訣通りにこの日はしてみたところ…ガンガン釣り上げていました。
聞いた話しに何かしら感じるところがあって、それを素直に受け入れた結果なのだと思います。
元々は京都のご出身で釣り歴も長く色々な釣り場で釣果を残されてこられた様です。
鮭釣りとはそんな方でも魅了して足を運ばせてしまう大きな魅力をもった趣味なのだと思います。
せっかく遠くから来てくれた方に対して情報を出し惜しみしない事。釣れた満足からこの方は更に魅力を感じてくれたのではないでしょうか。その証拠に秘訣を教えてくれた方を早くも師匠と呼び、話しを教えてくれたその表情はとても楽しそうでした(笑)
そして後でわかったのですがその師匠というのは、私の上司だったというオチまで!
人が集まるのにはそこに何かしらの魅力を感じるから。しかし自然と集まるからそれでいい。という訳ではなくそれが継続しなくてはいけない物だと思います。その継続にはどのような事をしなければいけないのか。
釣り人の皆さんからお話しを聞いても年々鮭の量も減ってきているようです。資源がいつまでも続くとは限りません。そんな変化のある状況の中この先を見て、新たな物を迎え入れていく考えが必要になってくるのではないでしょうか。
簡単に出来るものではないでしょうがその考えを頭のどこか片隅において、何かの拍子にそういった方とお会いした時には『来てくれてありがとう』との気持ちで接していく事で、また継続的に来たくなると感じて頂けない物かと思います。
そこに無理な形でのおもてなしや気遣いは不要なのだと思います。